夏風邪の長引く咳の原因はエアコンのカビ
我が家では、毎年梅雨から夏の時期にかけて小さな子どもたちが夏風邪にかかり、コンコンコン・・・という感じの長引く咳に悩まされてしまっていました。
特に一番上の子は生まれつき気管支が弱いせいか、一度咳が出始めるとコンコンコン・・・という感じの発作的な咳になってしまい、小児科では喘息の一歩手前の喘息様気管支炎だというふうに言われ、毎年夏になると気管支を広げるための飲み薬と貼り薬が欠かせないという感じでした。
しかも、子どもたちだけではなく、両親である私たちも同じぐらいの時期になると少し喉がイガイガしてきたり、風邪を引いてしまったりと、とにかく夏になると家族全員が体調を崩してしまっていたというのがこれまでの状況です。
そんな中、耳鼻科で薬を貰おうと調剤薬局に行った時、こんな話を聞きました。
「鼻の調子はどうですか?この季節になるとエアコンのカビが原因で咳や鼻水が出る人がたくさん来るんですよね~・・・」
この言葉に「ピーン!!」ときて、「もしかしたら、エアコンのカビが我が家の夏風邪の原因なのかも?」と思うようになりました。
出典)夏型肺炎 カビが原因|日本経済新聞
色々と思い出してみると、毎年夏風邪の咳が悪化するのは湿気が高くなるためエアコンをつけ始める梅雨頃からで、秋頃になると子どもたちの咳も改善してきます。
このような経緯から、エアコンに発生するカビの有毒性について詳しく調べてみることにしました。
エアコンのカビの有毒性について
カビは湿度の高い場所を好む性質があります。
冷房運転中のエアコンの内部は冷やされているため、空気中の水分が凝縮して結露します。
それに加えて、エアコンのフィルターが汚れていたりすると、エアコンの内部にまで空気中のホコリが入ってきてしまって、そのホコリにカビが付着し繁殖し始めます。
カビのもとになるカビ菌はどの空気中にも存在しているため、カビが生育できる環境が整った場合、どこでも発生するというイメージを持ってもらうといいと思います。
エアコン内に発生するカビの中で「トリコスポロン」と呼ばれる真菌(カビの一種)が夏型過敏性肺炎の原因であり、このカビを吸い込んでしまうと、肺の中でアレルギー反応が起こり発熱や咳、体のだるさといった症状を引き起こしてしまいます。
夏型過敏性肺炎は日本で発見された過敏性肺炎で、西日本を中心に、夏季、湿った家屋内に繁殖した真菌 (Trichosporon asahii, Trichosporon mucoides) 属の胞子を反復吸入することによって起こります。夏型過敏性肺炎は、過敏性肺炎の70%以上を占める代表的疾患で、III、IV型アレルギー肺疾患です。原因となる真菌を吸入してから数時間後に咳や痰、悪寒、頭痛、発熱、呼吸困難などの症状が現れます。
急に痰のからんだ咳がゲホゲホ出て発熱したり、数週間も咳が止まらず息切れしたり、夏風邪のような症状がなかなか治らない場合は、「夏型過敏性肺臓炎」の可能性があります。これは夏に多い病気で、原因は「トリコスポロン」というカビの胞子を吸い込むことによるアレルギー反応です。
激しい咳をもたらす病気には、マイコプラズマ肺炎、百日咳、結核などがあるが、最近では、五月から十月にかけての咳は、まず夏型過敏性肺炎を疑うようになった」というのは順天堂大学付属順天堂医院でも診療をしている小林暁子メディカルクリニック院長。病気の原因は、トリコスポロンという種類のカビ。
出典)日経プラス1
トリコスポロンの胞子は3~10ミクロン(1ミクロンは0.001mm)と非常に小さいため、ちょっとした風で部屋中を浮遊しやすく、また鼻や口から吸い込まれ肺に侵入し、肺胞の中まで入り込んで肺炎を引き起こします。
夏風邪と夏型過敏性肺炎を見分ける方法としては、
- 夏の間だけ咳が出て、夏風邪といわれたことがある
- 夏風邪の症状がなかなかとれないが、旅行などで自宅を離れると体調がよくなる
- 何年にもわたって、夏になると同じ症状を繰り返す
- 家に居る時間が長くなると咳がひどくなる
- 同居家族も同じ症状を発症してい
などが挙げられます。
確かに子どもたちの話では保育園や小学校に行っている間は咳が出ないといっていましたし、この夏型過敏性肺炎のことを調べれば調べるほど、我が家の長引く咳は単なる夏風邪ではなく、トリコスポロンというカビが原因の夏型過敏性肺炎である可能性がかなり高くなってきました。
そこで次のページでは、エアコンのカビを除去する方法を試してみて、実際に家族の症状が和らぐかどうかについて検証した結果についてお話していきます。