エアコンのカビを死滅させる方法
ここからは、エアコンに生えたカビを死滅させる方法についてお話していきます。
先程のエアコンのカビの有毒性というところでお話した通り、エアコンのカビの有毒性を減少させるには、エアコンが設置された空気中の浮遊カビ菌の量を減らし、その結果呼吸によって体内に取り入れられるカビの吸込量(個数)を減らすことが重要です。
それを実現させる方法が以下の2つのステップです。
【STEP1】エアコンOFF時は送風運転を行う
エアコン内部のカビを死滅させるためには、エアコン内部の湿度を下げることが重要です。
一体どの程度にまでエアコン内部の湿度を下げればカビが死滅するのかということについては、以下の文献が参考になると思います。
カビが湿度何パーセント何時間で死滅するかというご質問ですが、死滅するのは菌糸だけです。胞子は植物の種子に相当するもので、乾燥状態でも生き残ります。菌糸が死滅する条件は、カビの種類によっても違いますし、同じカビでも育った湿度条件によっても違います。ndoor Air’ 96ではユーロチウムというカビを使い、「育てた相対湿度」と「死滅する相対湿度」の関係を発表しました。内容は以下の通りです。
ユーロチウムの菌糸は、
- 相対湿度93.6%で育った場合、相対湿度61.8%で4時間、52.9%で2時間、43.2%で1時間で死滅。
- 相対湿度84.3%で育った場合、相対湿度61.8%で16時間、52.9%で8時間、43.2%で1時間で死滅。
- 相対湿度80.7%で育った場合、相対湿度61.8%で24時間、52.9%で16時間、43.2%で1時間で死滅。
- 相対湿度75.3%で育った場合、相対湿度61.8%で死滅せず、52.9%で16時間、43.2%で3時間で死滅。
- 相対湿度70.8%で育った場合、相対湿度61.8%で死滅せず、52.9%で24時間、43.2%で3時間で死滅。
(相対湿度75.3%では発芽するのに1週間、70.8%では発芽するのに1ヶ月かかります。)
日立も三菱電機もダイキンもこのデータをもとにしています。私の所での今までの調査では、室内に多い好乾性カビは全て、相対湿度低減で菌糸が死滅しました。
出典)1.カビとは|文部科学省
※上の表のAwとは相対湿度(一般的に使われている湿度)のことです。例えば、Awが0.65というのは、相対湿度が65%ということ。
少しわかりにくいかもしれませんが、要するにカビが死滅する(生育できない)ための要素は、
- 湿度を低く保つこと
- 低湿度時間を長くすること
が重要ということになります。
例えば、ダイキン製のエアコンの機能として搭載されている内部クリーン機能(カビやニオイを抑制するために、エアコン内部を乾燥させる機能)では、冷房運転や除湿運転などの後に、約1.5~2時間ほどの送風運転が自動的に行われるように設計されています。
これらのことから分かる通り、冷房や除湿の後に送風運転を2~3時間ほど入れるというのがカビを死滅させるのに効果的であることが分かります。
冷房や除湿動作時はエアコン内部が冷えるため、必ず水分が発生し、カビが生育しやすい環境になってしまいますが、エアコン動作後に毎回送風運転を行い、エアコン内のカビを死滅させることができます。
また、それを続けて行くことで、カビの種である胞子の量も徐々に少なくなっていきます。
我が家の場合、例えば、夜中に冷房を使わないリビングのエアコンは夜中から次の冷房の時までずっと風量弱の送風運転をしています。
逆に寝室の場合、夜中にエアコンをつけるため、朝~夜に冷房をつけるまでは送風運転を行います。
こんな感じでエアコンは24時間冷房運転をさせておくのではなく、一日に1回は3時間以上送風運転をやってあげることで、エアコン内のカビを死滅させ、エアコンから吹き出されるカビ菌の量を低減することができます。
最後に一言
今回は、【エアコンのカビ】長引く咳の原因と具体的な対策方法についてお話しました。
長引く風邪の原因が分かるまでは1年以上時間がかかってしまいましたが、エアコンのカビが原因かも・・・と気がついて対策を始めてからは、1週間ほどであれだけ厄介だった子供たちの症状がすーっと収まりました。
エアコンの送風運転は扇風機などとほぼ同じレベルの電気代しかかかりませんので、夜中の半日つけっぱなしにしておいても、電気代はほとんどかかりません。
是非参考にしてみてください。
それでは!